投稿

1月, 2025の投稿を表示しています

薬屋のひとりごと #27

もちろん、原作小説によるストーリーの緻密さが魅力の作品だ。しかし、色と光を表現した背景、美しさや気品を描き分けたキャラ、ここぞという場面で惹きつける作画、人物にマッチした実力派声優陣による演技など、アニメとしての質も非常に高い。第2期でもクオリティを保ってくれているようで、本当に良かった。 後宮のどろどろとした感情による事件と、猫猫の冷めてわきまえた知性による解決、そこに全体として心地よいバランスが生まれている。展開に合わせてクセの強弱を自在に操る、悠木碧の技量が素晴らしいと思う。 キノコの話は、特に猫猫と壬氏との距離感がよく出ていて面白かった。第1期のときは『フリーレン』がいたけど、第2期には強敵が見当たらない。 kusuriyanohitorigoto.jp/

天久鷹央の推理カルテ #03

天才医師が難事件を「診断」して解決する、という推理もの。やってることは『ガリレオ』の医療版という感じだが、キャラクターがドラマよりはアニメ向き。 やや性格の破綻した高スペック美少女が、手下を振り回しながらずんずん進んでいくという展開。で、いとうのいぢの絵。『ハルヒ』じゃん、と思って公式サイトに行くと、見覚えのある指さしポーズに頬が緩む。 だからというわけではないが、明るくテンポよく進む話は気持ちがいいものだ。医療系は専門知識が無いので、矛盾とか気にせず楽しく観ていられる。大病院にしてはどろどろな陰謀もないし、殺人事件ばかりを扱うシリーズなわけでもない。 まあ、ここでも佐倉綾音か、とは思ったけど。いや、好きだから別に良いんだけど。 atdk-a.com/

空の青さを知る人よ

気持ちのいい話だった。超平和バスターズのいわゆる三部作の中では、観た後の余韻が一番すっきりしていたように思う。 原則として、書き手が読み手より先に感動してはいけない。と、個人的には考えている。もちろん読み手(=アニメでは観る側)依存のポイントなので、普遍的な評価とはなり得ないのだが、号泣アニメと称されるような作品では、感動タイミングの微妙なズレで良し悪しが分かれる気がしている。 『あの花』は、とにかく登場人物たちが感動していて、なんだか置いて行かれた気分になった。『ここさけ』は、面白かったけどポイントが見つけにくかった。そういう意味で、この作品がちょうどしっくりきたという感じだ。若い頃に観ていたら、たぶん全然違っていただろう。 松平健、意外と違和感なかったな。 soraaoproject.jp/

すずめの戸締まり

問題は、現実に起こった震災を題材にしている点だろう。この作品に対する様々な批判の理由は、結局そこにある。この内容なら、そもそも具体的に3.11を持ち出す必要などないだろうに、というのが個人的な感想だ。 新海誠作品の特徴は緻密で美しい自然描写だ。アニメらしいデフォルメを使わずに写実的な画で惹きつけるが、そこにこだわりすぎて話が冗長になりがちでもある。本人の意図がどうあれ、描いているのはいつも風景であり雨粒であり、この作品でいえば「少女が巡るいろいろな土地」であって、設定や物語はその後ろ側にいるように感じる。 『君の名は』は隕石衝突の話ではないし、『天気の子』は大雨洪水の話ではないし、同様にこの作品も大震災の話ではない。結果的にロードムービーになったのではなく、最初からロードムービーを作っていたということに、監督自身が気づいていないだけなのではないか。そんな印象を受けた。 suzume-tojimari-movie.jp/

全修。 #02

アニメ作品に出てくるキャラでもメカでも台詞でもなく、アニメーターの特徴的な画と動きをチカラにするという、なかなかにとんでもない話。 飛び交うミサイルに「うわぁこれは!」と笑ったものの、友人に教えてもらうまでまさか本物だとは思ってなかった。板野サーカスを知ってるのなんて、けっこう高めの年齢層だろうに。マニア向けが過ぎるのは、大丈夫なんだろうか。 いや、大丈夫なのだろう。アニメ好きが往年の名シーンに歓喜するのはこの作品の一面でしかない。庵野作だと知らなくても、巨神兵ビームに魅せられる視聴者がいれば良い。昔感動したあの「アニメ」の素晴らしさを若い世代にどう伝えるかという意味で、これは文字通りの意欲作といえる。 エンドクレジットの「板野サーカスパート」で二度笑えたが、企業協力に三菱鉛筆と三起社(アニメ用品の会社)というのも笑えた。いろいろ楽しい。 zenshu-anime.com/

ウイングマン #10

最終回を観て、特撮ヒーローには厳しい時代だと痛感した。様々な制約と短い尺の中で、よくぞここまで作ったものよと賞賛すべきなのだろう。コスチュームは良い出来だし、いろいろ技も取り入れて、デルタエンドも一応やってくれた。原作ファンに配慮しつつ条件をこなし、作品としてまとめ上げるというのは、誰にでもできることではない。 その厳しい時代の特撮は、よく知っている「いつもの感じ」で作られていた。 せっかく若手俳優のお披露目なのに、ろくに笑顔も見せてくれないシリアス一辺倒の展開。ピンチになるとすぐ過剰にハアハア言いながら地面に這いつくばる演出。本役との乖離も気にせずキレキレの動きでアピールする「後ろ向きのヒト」、タメる暇もなく割り当てられたスペース内を急いで動き回るCG、結局最後は巨大化しないと安心できない伝統芸のテンプレート、そしてネットニュースには提灯記事、……。 「いつもの感じ」で作られているから、「いつもの違和感」が強く残った。それだけのことだったわけだ。 おそらくこれからも「いつもの」特撮が続くだろう。なにしろ「ヒーローに憧れる少年」を特撮ヲタクとしてしか描けない時代なのだ。続編を匂わせる終わり方だったが、原作好きの一人としては、原作のラストに寄せた最終回の後にオリジナルストーリーなんかやって欲しくないなと思う。 もちろん悲観主義なわけではない。できればカッコいい特撮が観たいものだ。ただ、最終回の美紅ちゃんの衣装が、ドラマの内容なんかどうでもいいんだと言わんばかりの派手さで、踏み台にされてる感が本当に悔しかったんだ。 #07 www.tv-tokyo.co.jp/wingman/

〈物語〉シリーズ オフ&モンスターシーズン #10

忍ちゃんの七花八裂。 物語シリーズと同じ西尾維新の『刀語』に出てくる主人公・七花の必殺技なわけだが、なんかもう今回はこれで全部持ってかれた。撫物語がひたすら撫子を愛でる話だったのに対し、忍物語はふらふら遊び倒してる感じが楽しい。 『刀語』のアニメは、もう15年も前の作品だけど、何度観ても面白い名作だ。ストーリーはもちろん、田村ゆかりや中原麻衣ら実力派声優の「語り」ともいえる長台詞にぐいぐい引き込まれる。おすすめ。 www.monogatari-series.com/oms/ www.katanagatari.com/

俺だけレベルアップな件2 #13

韓国の小説が原作のアニメ。異世界ではなく現実世界にダンジョンが現れるという設定で、ファンタジーやゲームっぽいバトルでありながら「猫も杓子も」「パクリ横行」の異世界ものとは一線を画した面白さがある作品。 主人公の容貌がなんだか韓流アイドルみたくなってきたのがちょっと嫌なのは置いといて、どうやら第2期も面白く観られそうだ。日本制作のアニメだけど世界展開のために作中表記が英語になっていて、それを追うのはちょっとツラいというのが難点。文字が小さく表示も速く、台詞でのフォローもあまり無いので、巻き戻さないと付いていけない。気にせず流せば特に支障も無いんだが、なんとかならんもんか。 sololeveling-anime.net/

MFゴースト #24

『頭文字D』の世界を引き継ぐというコンセプトの作品だけど、豆腐屋さんでも学生でもなくプロなので、基本的にはひたすら公道レースをする話。CGのクルマが箱根辺りを走り回るだけなのに、なぜか飽きることなく面白く観ていられる良作だ。 主人公にハンデを負わせて盛り上げるという展開は王道中の王道だし、乙女な佐倉綾音も貴重ではあるけれど、やっぱりレースが魅力の作品なので、あまり恋ちゃん絡みに尺を使っては欲しくないかな。鎌倉観光くらいが箸休めとしてはちょうど良いと思うんだよな。 mfg-anime.com/